世界の猫歌(10) 猫の二重唱 ーライブパフォーマンス編ー
今回も、前回に引き続き、「猫の二重唱」。
前回が、ボーカロイドとアニメーション制作ソフトを駆使したハイテク版だったのに対し、今回のは、少年合唱によるライブパフォーマンス版です。
ちなみに、このバージョンは金髪少年と茶髪少年とによる二重唱なのですが、まずは、金髪少年から歌い始めます。ソロ、しかも、出だし、ということで、間違いなく緊張感MAX、てんぱりまくり状態だったと思うのですが、とくに破綻はなく、やれやれ、なんとか無難に、と思っていたであろう金髪少年に、いきなり試練が襲いかかります。
金髪少年のあとを受けて、茶髪少年が歌い始めると、金髪少年の歌っている時にはなかった、観客からの(好意的な)笑い声が起きたのであります。
すかさず、口元に、勝ち誇ったかのような余裕の笑みを浮かべる茶髪少年。
それに対して、金髪少年は、文字通り、口をへの字に曲げて、その穏やかではないであろう胸の内を、思いっきりストレートに、顔の表情に出しています。
さらに、次の自分の出番が近づくにつれ、視線があちらこちらをさまよいだし、まさに、動揺感MAX!、歌いだしの時とは、違った意味での、てんぱりまくり状態をさらけだす金髪少年。
ああ、それなのに、さらに、金髪少年の試練は続きます。
出だしの部分は、金髪少年のソロと茶髪少年のソロがはっきり分けられた構成だったのが、次の部分は、金髪少年が歌って、茶髪少年が短く合いの手を入れ、を繰り返す、という構成。
そう、金髪少年が歌っている時には、観客席ノーリアクション、茶髪少年が合いの手を入れると、観客席どっとわき、を何度もくりかえす、という、引き立て役、どころではすまない、まさに、公開さらしもの状態!
背後に何十人といる合唱団のなかで、この二重唱のソロとして選ばれるということは、間違いなく、晴れがましいことであったはずですが、まさかこんな状況に追い込まれることになろうとは・・・。
彼の胸の内には「こんなことなら選ばれないほうがよかった」とか、「担当パートが逆だったら、ぼくが喝采を浴びていたのに・・」とか、さらには「ロッシーニの馬鹿!」などというネガティブワードが胸の中に充満しまくっていてもおかしくはない、まさにそんな最悪の状況をあらわすかのように、ついには、歌っている最中にも視線がさまよいはじめる金髪少年。
しかし、天は彼を見放さなかった、というべきか、次の部分で、金髪少年が、それまでの端正な歌い方から一変して、すっとんきょうな声で、猫の鳴き声の真似をすると、まちがいなく、この日、最大の笑い声が、客席から起こったのであります。
たちまち、金髪少年の口元にもかすかな笑みが。
その後も、基本的には、茶髪少年が笑いをとっていっているのですが、すでに金髪少年は、動揺感を見せることもなく、冷静にみずからのパートをつとめあげたのでした。
この日のパフォーマンスの結果が、どこまで演出として意図されていたのかどうかはわかりません。
しかし、もし、金髪少年のあのすっとんきょうな鳴き声、あれがすべっていたら、いったいどういうことになっていたのか。
ある程度の演出意図をもってのぞむものの、結果がどうなるかは、やってみなければわからない、そんなライブパフォーマンスの怖さとその裏返しとしての素晴らしさを痛感した動画でありました。
ねこどこ(寝子何処) ーまとめー
ニャトランティスが呼んでいる(猫対睡魔) ーまとめー
半音なんてこわくにゃい(半音上等) ーまとめー
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コメント
ブラボーです!!o(*^▽^*)o
少年たち、良くやった!!
そして、猫豆福耳堂さんの洞察力と解説に恐れ入りました!
私はただただ「可愛らしいvv」と思うばかりで
そんな中、笑いのツボは・・一心にピアノを弾く先生(たぶん)でした・・(笑)
投稿: ぽんた | 2010年2月 1日 (月) 23時20分
コメントをありがとうございました!
いや、ただ脳内妄想を経由しているうちに、そう見えてしまっているだけのような気がしないでもありません。
ところで、私は、先生の存在はまったく注意の外でありました。
このパフォーマンスの黒幕(?)ともいうべき人のことを見落としていたのはうかつでありした。
とりあえず、顔を洗ってきます。
投稿: 猫豆福耳堂 | 2010年2月 3日 (水) 11時22分